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20日前。
ログフォースギルドの面々と真戦組は、打倒ベルゼブブを目標とし、関東を離れ日本で最も隕石に近い北海道へと足を運んでいた。
「北海道……。
何とか犠牲を出さずにここまでついた。」
元々、三人ではなく、ログフォースメンバーと真戦組のメンバー合わせて30名の大パーティであった魔王ベルゼブブ討伐隊。
中でも、先頭を歩く能力者集団、ログフォースメンバー6名と無能力者集団の真戦組リーダー格4名は、別格の強さを持ち、常に隊を警戒し、モンスターの迎撃にあたっていた為、30名誰も犠牲を払わず、
北海道根室の辺りまで来ていた。
「ここまでの距離……色々な県を見てきたけど。」
「うむ……」
「一番酷い状況かもね……。」
街は、まるで最初から何も無かったかの様に跡形もなく、木々はすべて焼き払われ、モンスターの姿しか見えない。
完全に占領された土地と言っても過言では無かった。
「弥君!
船は用意できそうに無い。
ここはどうするべきだと思う?」
ログフォースの参謀とも言える拓也医師も信頼し、相談する中二病とも言える格好の男は、マントを翻し陸地を見回す。
この男こそ、魔王ベルゼブブを封印した経験を持つ英雄であり、留奈の父でもある本城弥であった。
「うむ…。
ならば、海に道を作らねばならば……。
だが……」
辺りには、モンスター達がいる。
もし、海を凍らせる為に魔法を使えば、詠唱に反応し、モンスター達が襲い来る可能性がある。
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