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そうなれば、真戦組の中から犠牲が出ると察した弥は、氷の真聖剣アイスブランドを抜く事も出来ず、ただモンスター達の位置を確認し策を練る事に集中していた。
「お父さん。
私がモンスターを蹴散らしている間に、皆でこの海を走り抜けるのはどうだろうか。」
「………。駄目だ。
留奈は、決戦にむけて温存しているべきだ。」
「大丈夫。
ヘブンズゲートを開けば、数の問題じゃないよ。」
「いや………。
ヘブンズゲートを開かないに越した事はない。
留奈は決戦まで何もするな。」
「ちぇっ。」
体を動かしたかったのか、肩をブンブンと回し、ふてくされる様子を見せる留奈。
「留奈お姉ちゃんが、ここで戦ったら魔王戦で戦えなくなっちゃうでしょ?
ガマンだよ。留奈お姉ちゃん。」
「ぶぅー。わかった。」
と、優真に諭され引き下がる。
「弥兄さん。
私達が囮になるから、その間に……」
と、今度は、由奈が名乗り出たが、弥は、言い切る前に人差し指を由奈の口元に当て静かに首を振る。
「お前はログフォースのリーダーだ。
お前に何かあればログフォースは壊滅だ。」
「……………。」
由奈も仕方無さそうに、引き下がった。
「別の手を……探すか………。」
誰が囮になっても無傷では済まないと悟った弥は、別の手を探すため、一度、その場を離れる事を決意し、指示を出そうとした瞬間、事件は起こった。
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