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「診察を始めます。 お着物を…失礼致します。」 女は何事も無かったかのように シュルシュルと慣れた手つきで帯をほどく。 滑る蒼白い指先が 私の下腹部をまさぐるのを 何故不思議だと感じなかったのであろう。 雪虫を纏ったように冷たい指先が 瞬く間に いきり立つ私自身を 舐め上げ 吸い上げる。 女の突起が鼻先を擽る甘い匂いに 感じた事の無い目眩を覚える。 舌先が 先端を絡め取りながら やがて 歯の無い唇が 滑らかに 其の全てを覆い掬う。 私は水へと帰す。 私はただ還るのだ。 この見果てぬ夢に ダカレナガラ――
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