第1章 ケモノとケダモノ

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「ボロ負けですな、桃太郎殿」  桃次が目を覚ましたのはベッドの上だった、あちこち身体に痛みが走り悶える桃次をショートカットの少女が見つめている。 「うるせぇよサル」  少女の名前は山上申【ヤマガミシン】黒羽高校1年で申のケモノ、黒羽高校のナンバー3。ボーイッシュな桃次の仲間である。 「ここどこだ?」 「ペガサスだよ、駅に迎えに行ったら全員ボッコにされてたから運ぶの大変だったんだぞ」 「おぉ、サンキュ。あいつ何者なんだよ、せっかくいい女見つけたのに」 「お‥女?またナンパしてたのか?失敗したんだな」 「何で嬉しそうなんだよ、絶対あいつ殴り倒してやる」 「いつでも手を貸すぞ」  申は親指を立てて桃次に微笑む。桃次は拳を握りしめるがいまいち男の顔は思い出せずにいた。
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