第1章 ケモノとケダモノ

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「何から話せばいい?」 「とりあえず‥‥‥全部?」  そして現在、痴漢とそのターゲットだった少女という関係は崩れ去り、なすすべなく男に弄られていた少女、勇姫の方が偉そうに男を睨んでいる。 「‥‥つまりケモノっていうのは国の守り神みたいな感じなの?」 「うん、かな?地国にある国にはノブナガの侵攻を止める為に気の力を操る事が出来るヒミコの兵隊が守護者として住む事になって‥‥その力を借りて戦う戦士が桃太郎」  男は誰かに習ったのか宙を眺め思い出しながら勇姫に伝えていく。 「ノブナガに奪われた宝を取り返しに向かったのが戌、申、酉のケモノでお前は多分その中の誰かって事だ」 「何でわかるの?」 「キスした時に気の力を感じたから、その力を解放するには俺の気の力を与えるんだ。だからヤらせろ」  男の名前は白神桃次【シラガミトウジ】黒羽高校の3年、祖父から聞いた話に似ている気はするがヤンキーだし痴漢だしまったく正義の守護者だとは思えない。
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