第1章 ケモノとケダモノ

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 ヒミコは気の力を分け与えケモノを生み出した。その中で気の扱いに卓越し自由に操るまでに成長した者が使役者と呼ばれた。  天極の支配者ノブナガも同じく気の使い手であり、強さを求めたノブナガは部下にその力を分け与えた。そして鬼の中にも気を操り使役者として成長した者がいたその名を茨木童子、鬼軍団のトップに立ち牛・寅・巳のケモノと共に桃太郎と激しい戦いを繰り返した。  使役者は他にも数人いたらしいが桃太郎、茨木童子に匹敵する実力者は生まれなかった。 「‥‥こら、ちゃんと聞かんか?」 「ほえ?ごめん‥なんだっけ?」  勇姫は祖父の話を上の空で右から左へと受け流していた。 「次の満月に鬼門が開き鬼が復活する、じゃからこれをお前に渡そうと思ってな、話をしとるんじゃ。しっかりと」 「これスマホ?てかどこの?」 「スマホではない、星霊機じゃ、使い方はこのマニュアルに‥‥こら勇姫話はまだ終わっとらんぞ。桃太郎を見付けてお供を集めねば!!」 「それはムリ」  勇姫は祖父の願いを断固拒否して自分の部屋へと向かう。 「茨木先輩が桃太郎だったらいいのに、てか鬼門とか鬼の復活とかありえないし」
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