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「しかし、ここの水、おいしいな」
生水に気をつけろという、虎丸の忠告を無視した武蔵が、腹を壊した。
瞬がリュックから、薬を出すと、虎丸の字で、【武蔵用】と書かれていた。行動は読まれているようだった。
虎丸からの忠告は続き、まず『黒術死には係るな』『終末の旗は高瀬と水元が壊滅させると怒っているから、大丈夫』次に『海晴が終末の旗に乗り込んで、半壊させてきた』と続いていた。
「…向こうでも、激しく何かしているみたいだね…」
武蔵が、メモを見て、時系列順に並べていた。非常に展開が速い。
でも、海晴は無事なのだろうか。瞬が、せつない気持ちになっていると、またメモがやってきた。『謹慎処分になりましたが、怪我はしていません。白戸さんの所の、離れに居たエロ政治家が口添えしてくれました、政治問題も解決です』海晴の字だった。離れのエロ政治家?とは、医師と逢瀬をしていた、人だろうか。とにかく、海晴が無事で良かったと、瞬は手紙を抱きしめた。
「それでは、こちらも動きますか」
疲れないように、瞬と武蔵が交互に、空間転移能力を使い、主にビルの屋上から能力の回収を行う。人に見つかったら、場所を移動する。敵の中でしかも、状況はつかめない、簡単な行動論理を共有認識とする。
地図を頼りに、瞬が空間転移をしようとしたが、暗闇では写るものが無かった。
「最初は、俺からか」
武蔵は、何も物を使わずに空間転移を使用することができた。
「俺の、空間転移は物を使わないけど、一人ならコントロールできるが、人数が増えた場合、ややコントロールがずれる」
瞬が、ビルの屋上から外れていた。あやうく下に落ちそうだった。
「それ、最初に言ってね…」
瞬も空間移動時に、見えてはいるので、次からは調整して降りることにした。
「でも、俺の写るものの限定も厳しい」
常に鏡を設置してから、行動するしか方法がないのかもしれない。
「まあ、疲れるまで、俺が転移させるよ」
武蔵は、ビルで眠っているので、瞬が見張りという役割になった。
瞬は、雪村を車イスに乗せ、屋上から能力を回収させる。
『神の御使い』も普通の会社があり、学生が居る。どこを見ても、変わらないといいたいところだが、普通ではない者も多く居る。
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