第七章 死に交われば死に染まる

21/27
前へ
/484ページ
次へ
 青年は、そっと寝室に降ろされた。  海晴は仕事があると、家に戻り、 瞬と武蔵も続くパーティーは辞退した。 後ろ盾のない子供が居たところで、 ただ暇なだけだった。  瞬は、初代預かり屋と、 自分の父親に接点があったなどとは、 考えたこともなかった。  家に帰るかと、瞬はホテルを出たところで、 引き返した。 君尋の声が聞こえた気がしたのだ。 でも、 どこにも姿は無かった。 「千都、千尋、千郷」  やはりパーティーに飽きて、 瞬の後ろを付いて来ていた三人は、 瞬の声に目を輝かせた。 「どうしたの?事件?」  ここには護衛がいるからいい、 でも、部屋に残してきた青年は一人だった。
/484ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加