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”千里の道も一歩から”編_拾伍
その後、鏡はその話をしなかった。
もしや、オファーは聞き間違いかも、と思い始めたりした。
もやもやとした毎日が続いていたが
大型犬の鏡と中型犬の佐々木に懐かれ、日はあっという間に過ぎる。
ある朝、ロッカーへ置き靴を替えようといつものように寄った。
ガチャッ
「・・・・・・・・・なに、これ・・・・」
寒い時用に置いてあったカーディガンと置き靴は
見て分かるほどぐっしょり濡れていた。
置き傘は広げられ、あちこちの骨が折れ、破れている。
「・・・・どうして、こんな・・・・」
まだ、誰も居ないロッカールームで私は1人立ち尽くした。
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