”千里の道も一歩から”編_拾参

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  子どもの居る佐野がいつものように 研修生が居なくなる7時くらいに退社し、私と鏡だけになる。 翌日の回答例を作っていると、鏡が話しかけてくる。 「何も握りつぶさなくて、良かったじゃん。」 彼が何について言っているのかは分かっていたが、知らん顔。 「何のお話ですか? お仕事終わられたなら、お帰りになったらいかがですか?」 その時、くるりと椅子を回され、 鏡の膝の間に私が椅子ごとすっぽりと収まった。 「そんなにツンケンすんなよ。 あいつらも、別に悪気があったわけじゃない。 ガキだから・・・ やり方はどうかと思うけど、君に近づきたくて、必死だったんでしょ? 可愛いじゃん。」
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