”千里の道も一歩から”編_拾肆

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  喫煙室から少し離れた窓の前に立って振り返る。 佐々木は既に怒られることを覚悟しているようで 大きな身体を小さく縮めていた。 そんな様子に、クスッと笑った。 驚いた様子で顔を上げた佐々木に私は笑う。 「ごめん。」 私は昨日握りつぶした紙を広げる。 佐々木は、すみません、と頭を下げた。 私は佐々木の肩に触れ、顔を上げさせる。 「違う。・・・昨日は私がやりすぎたわ。ごめんなさい。」  佐々木は慌てたように首を振った。 「やっ、ち、違います。 お・・・、僕があんなときにこんなこと聞くから・・・」
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