”千里の道も一歩から”編_拾肆

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  佐々木は初めて笑った。 幼い笑顔だったが、それが余計、可愛いと感じた。 「そうですね。ちゃんと、男になります。 ・・・そしたら、また聞いてもいいですか? 今度はちゃんとプライベートで・・・」 私は笑う。 「待っているつもりはないので、頑張ってね。」 佐々木はコクンッと素直に頷いた。 1人階段を降り始めると、おはよ、と呼び止められた。 私は声の主を見て、少し怯む。 階段上の手すりから、鏡が私を見下ろしていた。 「おはようございます。」 昨日のこともあり、どこか刺々しい言い方になる。 そして、さっさと離れようと階段を急いで下りる。
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