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その日は仕方なく、通勤に使っているスニーカーで1日を過ごした。
どうかしたの?、と佐野が心配そうに聞いてきたが、嘘をつく。
「昨日、間違えて置いてあるパンプスで帰ってしまって
気がつかずに来てしまいました。
・・・こんな格好ですみません。」
佐野はにっこりと微笑む。
「いいえ、そんなことはいいの。
足でも痛めたのかと・・・
大丈夫なら、いいのよ。」
ありがとうございます、と私は頭を下げた。
誰が何の目的で、あんなことをしたかは分からない。
それを見つけることに意味は無い。
ロッカーの合鍵を使える誰かが、それを悪用し
私怨を晴らそうとしたことは分かっている。
だったら、ロッカーを使わないだけだ。
私はそう割り切って、
靴とカーディガンをカバンの中に仕舞い込んだ。
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