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何もかも諦めた瞬間
「由紀ちゃんっ!!!!」
という鋭い声と共に、背中に硬い衝撃を受ける。
だが、それはコンクリートほど強い衝撃ではなく
暖かい筋肉のぬくもりを感じた。
『た・・・・助かった。』
ぼんやりと目を開けると、佐々木が私を抱きかかえていた。
彼は私を抱き止めるために、階段の壁に背を打っていた。
痛そうに顔を顰めている。
それでも、優しく、私を地面に下ろす。
「・・・大丈夫、ですか?怪我、してない・・・ですか?」
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