”千里の道も一歩から”編_拾伍

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  私は佐々木に優しさに泣きそうになって、必死に笑う。 「大丈夫?ありがとう・・・、ありがとう。 佐々木くんこそ大丈夫??背中、痛いの??? 医務室、行こう?」 大丈夫です、と佐々木は顔を真っ赤にして笑う。 「俺、これでも、ラグビーやってたんすよ。 だから、これくらい、全然平気ですっ!」 ごめんね、と私が謝ると、佐々木は笑う。 「ゆ・・・。先生って、案外おっちょこちょいですね。 転んだり、階段すべったり・・・ ・・・気をつけて。」 うん、と私は笑った。 その頃にはもう 彼女たちはいなくて、私は誰にもそれを言わなかった。
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