”千里の道も一歩から”編_拾漆

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  どういうことですか?、と尋ねる佐野に 私は仕方なく、階段での出来事を話した。 佐野は暫く考えてから、分かりました、と答えた。 「佐々木くん、貴方は研修室に戻りなさい。 そして、皆に後30分ほど、自習するように伝えて下さい。」 イヤです、と佐々木は怒る。 「僕にも責任があります。だから、見届けます。」 私は佐々木に言い聞かせる。 「ありがとう。 気持ちは嬉しいけど、これはそういうレベルじゃないの。 ・・・会社間の問題なの。 事実かどうか、ではなく こういうことを指摘されることが信用問題なのよ。」 佐野が佐々木にトドメを刺す。 「貴方が騒げば騒ぐほど 柏原講師の立場が悪くなる、と分かりませんか?」
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