”千里の道も一歩から”編_拾漆

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  連れて行かれたのは、一階上の6階にある応接室だった。 どうぞ、と楢崎が私たちだけを入れた。 「失礼します。」 佐野を先頭に、私、佐々木の順で部屋に入った。 部屋には 楢崎より更に険しい顔をした中年の男性が2人と はっきりと敵意を表すように睨み付けている女性がいた。 女性は私を見るなり、怒鳴りつける。 「貴女は、ここへ何をしにいらっしゃってるの? 研修先の新人を誘惑するなんて、節操が無さ過ぎるわっ!! 恥ずかしいと思われないのかしらっ!!!」 彼女はFAX用紙を私たちの前に突き出した。 私たちはそれを見て息を飲んだ。
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