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佐野は右側の男性に尋ねる。
「田所部長、このFAXの経緯を教えて頂けますか?」
ああ、と田所は頷く。
話し出そうとした田所を女性が遮る。
「これは、今朝業務部に届いたものですっ!
私が気が付いたからよかったようなものの
他の子たちが目にしていたらどうなっていたことかっ!!」
その通りだ、と左側の男性がドンッと机を叩く。
「美江が気が付かなければ、今頃パニックだ。
本当に恥ずかしいことをしてくれたなっ!!!」
申し訳ありません、と私と佐野は頭を下げた。
男は私を蔑むような目で見た。
「30も過ぎると、焦る気持ちは分かる。
だがな、見合いならプライベートでしろ。
10以上も年下の男に手を出すなんて、まったく・・・」
佐々木が前に出ようとするのを、私と佐野で押さえる。
田所がまだ言い足らない様子の男性を止めた。
「瀬田部長、それは言いすぎです。
それに彼女たちは関係を否定し、軽率な行動を謝っています。」
「謝ればいいってものではありませんわっ!」
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