”千里の道も一歩から”編_拾漆

6/17
前へ
/40ページ
次へ
  美江と呼ばれた女性はまたしても 田所の言葉を遮り、しかも、あっさり否定した。 美江は相当役職が高いのだろう。 平然と今も立ったままの姿勢で、部長の田所を見下ろし 馬鹿にした様子を隠しもしない。 そして、ニヤッと嫌な笑いを浮べた。 その時、私は彼女を知っていることを思い出した。 何週間か前、食堂で私に敵意の篭った視線を 送っていた中に美江はいた。 だが、気付いてもどうすることもできない。 美江は勝ち誇ったように微笑む。 「このようなFAXを仕事先に送られたのです。 彼女の落ち度は明白。 ・・・即時解雇を求めます。」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加