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ギリッと佐々木が歯を鳴らした。
その目も態度も明らかに、美江を威嚇していたが
怒鳴らなかっただけ、いい、としよう。
田所が反発する。
「そこまでは必要ない。
事実でない限り、妥当ではないし、処罰にも値しない。」
だが、瀬田がそれに抗議する。
「処罰は当たり前だ。
こんな不祥事、さっさと辞めさせた方がいいに決まっているっ!」
私は佐々木を抑える事に必死で、
彼らの言葉に気を配る余裕も無くなる。
そんな時、言い合いを始めた3人に佐野がピシャリと命じる。
「お待ち下さい。」
3人は佐野を一斉に見た。佐野は淡々と続ける。
「おっしゃりたいことは分かりました。
ですが、本日は鏡も不在で、私では判断しかねます。
そちらを預かり、検討し、鏡からお返事させて頂きます。
・・・それで、よろしいですね?」
佐野の言葉は丁寧で、
質問形式なのに有無を言わせない迫力を含んでいた。
3人は頷き、私たちを解放した。
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