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(『一目惚れは甘く、しつこい』第6章 罪と欲情のP418から掲載)
「お酒、リビングで飲みましょうか?」
麻莉が優しく言うと、舜平は切ない顔を一瞬見せてから、麻莉の髪を愛しそうに触れた。
リビングのテーブルに冷えたビールと缶酎ハイ、おつまみを用意して、舜平と麻莉はベッドに寄り掛かり座った。
会話している間、麻莉の右手は気付くといつも舜平の左手に繋がれていた。
麻莉が右手でお酒を汲もうとすると、舜平の手が離れ、汲み終わると握られる。
席を立つ用事がある時は、また手が離れて、麻莉が隣に戻ってくると、また握られる。
それは半ば手錠で繋がれたような感覚に似ていた。
2人の酒の進みが落ち着いていくのと並行して、座っている距離は近くなっていった。
麻莉の肩に舜平の肩の温かさを感じられるようになると、麻莉は舜平の肩にもたれかかった。
舜平は肩に寄りかかる麻莉の髪を撫でたり、髪をいじったり、口を麻莉の頭にくっつけて、匂いを嗅いだりした。
舜平の手や口が触れる度に、麻莉はくすぐったくて身を捩り、2人は甘く戯れ合った。
その間も、舜平と麻莉の手は離れなかった。
舜平は麻莉の耳元に顔を近づけて、
「さっきの続きしよっか」っと、甘く優しく囁く。
(………………トクン)
麻莉は下を向いたまま、素直に頷いた。
舜平に髪を触れられ、戯れ合っているだけでも、麻莉は早く抱きしめて欲しいと思っていた。
またそれに加えて、舜平が麻莉の手を握りながら、指を器用に動かして、麻莉の指の腹や付け根を撫でたり、人差し指と親指で指の1本1本を擦ったりしていたので、麻莉は指に感じるほのかな刺激に身体全体がじんわり疼きだしていたのだった。
舜平は繋いでいた手を引っ張って、舜平の膝の上に麻莉を座らせた。
麻莉は舜平に後ろから抱かれる体制になる。
舜平は麻莉と左手同士を絡ませたまま、右手で麻莉の髪を軽く束ねると、麻莉のうなじに唇を当てる。
「……………っ」
舜平は首筋を唇をなぞりながら、麻莉のブラウスのボタンを上から、一つずつゆっくり外していく。
その指の動きが麻莉をたまらなく緊張させ、興奮させた。
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