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そう言って私を自分の胸まで引き寄せた鏡は
何を思ったのか、私の頭上にキスを落とす。
真っ赤になって慌てる私に、鏡が笑う。
「相変わらず可愛いね。
職場を離れたんだから、これくらい許せよ。」
細川が驚いた様子で聞いた。
「ま・・・、まさか、彼氏・・・ですか?」
私が否定する間もなく、鏡が答える。
「そうだよ。君たちは由紀の知り合い?
まあ、どうでもいいけど。」
でも、と続けた声音に彼女達の顔から血の気が引く。
「これ以上、僕の彼女、傷つけたら・・
・・・・・・・・・・・僕が許さないよ・・・」
ゾッとするほどの暗い声に驚いて、
私は鏡の腕の中で彼を見上げた。
鏡は私を見つめ返し、いつも通りに微笑んだ。
鏡は呆然としたままの私を抱いたまま、
じゃあね、と彼女達に手を振り、タクシーに乗り込む。
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