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タクシーの中でも、鏡は私の手を離そうとしない。
だが、離して下さい、と抗議する雰囲気でもなく・・・
どこか威圧的な空気が居心地が悪い。
不意に、鏡が私の手を軽く握り締めた。
「大山って、元彼?」
ええ、と私は今更なので、素直に頷く。
鏡は暫く黙った後、突然切り出す。
「ねえ、今夜、飲みに付き合って。
もちろん、完全プライベートでっ!」
え!、と私は顔を顰め、身構える。
鏡はいたずらっ子のように笑う。
「今日は俺に借りがあるでしょ?
すぐ返したほうがいいと思うよ。
・・・俺の利子、すっごい高いから・・・」
私は渋々頷いた。
鏡はニコッと笑う。
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