”千里の道も一歩から”編_弐拾壱

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  翌日、私は鏡に連れられて、伏見のビルを訪れた。 そのビルの前で、私は立ち尽くした。 なぜなら、そのビルには 私が正社員として努めていた会社が入っていたから・・・ まさかと思って階数を尋ね、 別会社だったので少し胸を撫で下ろした。 『行き帰りだけ、気をつけよう・・・』     途中でプロジェクトに入ってきた派遣なんて 部外者扱いだろうと腹をくくっていたが、彼らの反応は真逆だった。 天の助けと言わんばかりに有り難がれ、 終いには拝む者までいた・・・ 忙しいこともあり、早朝出社で、深夜帰宅を繰り返し 前の会社関係者に会うことはなかった。 7日ほどで、倒れていた人が復帰したが そもそも、プロジェクトの進捗が思わしくないこともあり、 当初の予定通り、2週間手伝い続けた。
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