2人が本棚に入れています
本棚に追加
「せっかく、私が大山先輩みたいな、浮気男と
手を切るきっかけあげたのに、無駄でしたね・・・」
ぽつりと独り言をいうみたいに
呟かれた歩美の言葉に形勢はまた逆転する。
・・・まあ・・・、でも、と
私の格好を上から下まで見下ろし、歩美は業とらしく憐れむ。
「先輩みたいに、仕事ができても
女としての魅力がゼロだと、仕方ないんですかね・・・?」
クスクスと笑い出した彼女たち。
必死に理性を総動員し、無表情を装う。
腹を立てるだけ、負け、な気がした。
胸を張り、ジッとニヤニヤと笑う歩美を
だから、何?、と問う様に見つめる。
すると、段々、
歩美の顔から笑みが消え、刺々しい表情に変わる。
そして、
てか、と歩美は喧嘩を買わない私に苛々した様子で喚く。
「あんな、女ったらしの上に身勝手で・・・
・・・・あんな、あんな下らない、サイテー男に
必死に縋りつくなんて、バッカみたいっ!!」
最初のコメントを投稿しよう!