”千里の道も一歩から”編_弐拾壱

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  「せっかく、私が大山先輩みたいな、浮気男と 手を切るきっかけあげたのに、無駄でしたね・・・」 ぽつりと独り言をいうみたいに 呟かれた歩美の言葉に形勢はまた逆転する。 ・・・まあ・・・、でも、と 私の格好を上から下まで見下ろし、歩美は業とらしく憐れむ。 「先輩みたいに、仕事ができても 女としての魅力がゼロだと、仕方ないんですかね・・・?」 クスクスと笑い出した彼女たち。 必死に理性を総動員し、無表情を装う。 腹を立てるだけ、負け、な気がした。 胸を張り、ジッとニヤニヤと笑う歩美を だから、何?、と問う様に見つめる。 すると、段々、 歩美の顔から笑みが消え、刺々しい表情に変わる。 そして、 てか、と歩美は喧嘩を買わない私に苛々した様子で喚く。 「あんな、女ったらしの上に身勝手で・・・ ・・・・あんな、あんな下らない、サイテー男に 必死に縋りつくなんて、バッカみたいっ!!」
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