不幸予告

『でもなんで、あんたが知ってるの？』

「え？だってお母さんからメールが」

『してないわよ。
一応、あとでメールしとこうかなーとか
考えてたけど』

不思議そうな母の声。

……どういう、こと？

「じゃあ、あのメール、
一体なんだったの？」

『知らないわよ。
疲れてて幻でも見たんじゃないの？』

「そうなのかなー」

そのあと、
母の父に対する愚痴をいつも通り聞き、
電話を切った。
再びメールフォルダを確認するも、
さっきのメールはどこにもない。

……疲れてるのかな。
最近、新人教育しんどいし。
まあ、たいしたことがなくてよかった。

それから暫く、
そんなメールがあったことなんて
忘れてた。