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「森さん、のことなんだけど・・・」
その瞬間、山下の顔色がサッと変わる。
どこか、男の顔に変わることに少なからず驚いた。
もう言い出してしまったから、私は続ける。
「あの、さ。
別にどうこう言うつもりはないんだ。
だけどさ、きちんと、振ってあげてくれないかな?」
山下は眉を寄せて、こちらの様子を伺っていた。
私はそんな慎重な彼に笑う。
山下は目立たない男だ。
平凡な顔立ちで、
取り立てて取り上げるような突出したところもない。
だが、芯の強さと秘めた行動力は側にいればすぐ気が付く。
立花より、佐々木より、
誰よりきっといいリーダーに育つだろう・・・
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