”千里の道も一歩から”編_弐拾肆

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  「森さん、のことなんだけど・・・」 その瞬間、山下の顔色がサッと変わる。 どこか、男の顔に変わることに少なからず驚いた。 もう言い出してしまったから、私は続ける。 「あの、さ。 別にどうこう言うつもりはないんだ。 だけどさ、きちんと、振ってあげてくれないかな?」 山下は眉を寄せて、こちらの様子を伺っていた。 私はそんな慎重な彼に笑う。 山下は目立たない男だ。 平凡な顔立ちで、 取り立てて取り上げるような突出したところもない。 だが、芯の強さと秘めた行動力は側にいればすぐ気が付く。 立花より、佐々木より、 誰よりきっといいリーダーに育つだろう・・・
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