第1章

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「みなみ、大分遅かったな」 ニヤリとしながら声をかけてきた。 彼は尾崎征一(オザキ セイイチ)。 私より一歳年上の27歳。 スラッとした長身でそこそこイケメン。 「テスト項目で引っ掛かったところがあってしまって...」 舌打ちしたいところを我慢しながら答えた。 尾崎2曹とはヘリの整備に関してはライバルのようなもので、いつも小さな衝突をしてしまう。 「許容外れて再調整かと思ったんだけど」 さも私達のチームは不甲斐ないようだと口調が物語っている。 「テスト・フライは合格ですから心配ご無用です」 負けじと鼻で笑いながらいい放つ。 そんな言い争いをしていると格納庫内にあるショップの出入口の扉から整備班長の村瀬1尉が現れた。 私の姿を確認すると足早に寄ってきた。
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