プロローグ

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 西暦2535年。  人々は夜空を見上げていた。  ある地域では昼と見間違えるほど。  またある地域では目を焼かれそうな程に光る空を。  地球から見える空は、七色の空となって彩られている。  その光景は見た目こそ色鮮やかに美しく素晴らしいこの世の奇跡にすら見え、それと同時にこのあり得ない光景に多くの不安と恐怖を与えー  その予感が起こるのはそう遅くはなかった。  地上へと向けて、その輝きは次々と降り注いでいく。  地を裂き、海を干上がらせ、地球上ありとあらゆる自然を破壊し、人工物を砕きそして人々から声にならない悲鳴を張り上げさせる。  恐怖はたった一時間、しかし地球人にすれば百年分の苦しみを味わった。  大地は枯れ、あらゆる植物は絶え海は熱によって蒸発し世界人口から数え切れない命が失われる前代未聞の被害。 「どうしてこんなことが起きた」  宇宙に詳しい学者や研究員すら把握できなかった答えのない理不尽な仕打ちに地球中が騒ぎになった。  しかし、皮肉にも一年後この飛来した虹色の流星群がもたらした鉱石の恩恵によって人類は劇的な変化をすることになる。  2538年、隕石は石油に代わる鉱物としてほんの一欠片でゆうに手のひらサイズで巨大な都市一つの全エネルギーを賄えるほどの燃料になることが判明。  僅か数年で復興は終わり、2547年には人類が100年かけて到達するだろうと言う未曾有の発明までされた。  だが人類の進化はあまりにも早すぎた。その事件の後に生まれた子供が中学生にもなった頃。  清涼感に溢れたゴミ一つ落ちてないクリアなガラス張りのような地面に白を貴重としたビルのような建物。  そんな街中を余すところなく、どこからか光で照らされている。  その眩しすぎるくらいの光に包まれて心なしか遠く彼方までよく見え聖書の天使が飛んでいそうと言うイメージが合うとても数年前まで隕石で荒廃したなどと信じられない街へと発展した。  
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