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何かわからない出来事に、残りの講義も上の空になってしまった。
元々自分の好きな事については勉強も苦でないのだが…
こんな事本当に初めてだった。
あっという間に時間がたち、気付いたら全ての講義をおえていた。
俺は訳もわからないまま、大学を後にする。
帰りの自転車がやけに重く足がなかなか進まない。
「ああもう、考えても仕方ない」
あれは夢だったとしか思えない。
そうやってとにかく家路に急いでた時だ、さっと黒いフード付きのローブを羽織った一団が現れる。
服も黒く、全身黒づくめになっている。
胸に輝く銀でできた逆五芒星のネックレスが印象的だ。
無視して通ろうと思ったが、何やらそいつらがぶつぶつ呟いている。さらには俺の周りを取り囲んでしまい、身動きが取れなくなってしまった。
「ちょ、どいてください」
あんま喧嘩や争い事は嫌いな上、そもそも人と関わりたくない俺にとってこの状況は、苦痛でしかなかった。
そんな俺の事を無視して、なにやらぶつぶつと呟き続けている。
「召還」
唯一理解できた、そいつらのその一言によって、俺の目の前に理解できない現象がおこった。
緑色の肌の色。
一本角をもつ、子供サイズのそいつがじっと俺を見つめてくる。
このありえない状況に、俺の思考回路は停止した。
なんせシュウシュウいいながら、こっちに近づいてくる。
そうなったとき、やっと理解できた。
「ば、化け物だ」
俺は叫びながら、自転車を走らせる。周りを取り囲む黒ローブたちをはねのけるように。
だが、その黒ローブたちが次々に俺を掴んでくる。
「離せよ。化け物が来てるだろ」
俺は必死に暴れまわった。
ここで逃げなければ、襲われてしまう。
黒ローブたちの力が恐ろしいほど強く、一向に振りほどけない。
「なんなんだよ。お前ら。俺をどうするつもりだ」
本当に厄日だ。
遅刻しそうになるし・・・
変な女には絡まれるし・・・
なにより、こいつら…なんなんだよ。
そんなことを俺が考えている中、どんどん化け物が近づいてくる。
もはや獲物は俺だと言わんばかりに、口元からよだれを垂らしながら…
気持ちわりい。
そもそも、いやだ。
こんなとこで人生終わりだなんて。
確かに、ずっと姉ちゃん以外俺を知っている奴なんていないだろうけど、それでもまだやりたいことだってあるんだ。
そうやりたいこと…
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