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結局、みんな2杯ずつ飲んで、食事を終えると、駅で解散した。
「明日から年明けまで忙しくなるから、二人とも、よろしくな!」
「はい!」「店長ご馳走さまでしたー!」
駅の前のロータリーに大きいクリスマスツリーが立っている。
何色もライトアップされたイルミネーション。
世間はもうすぐクリスマス。
クリスマスがきても、ミユキと瑠衣を独占する事は出来ないんだろうから、きっと独りで過ごすんだろう。
去年は、クリスマスケーキを買って無理矢理ミユキのマンションに押しかけたっけ。
オレはいつでも、強引で。
ミユキの隙あらば、心に入り込もうと必死だった。
だけど、
どんなに尽くしても、
誠実に接しても、
リューマにはいつも敵わなくて。
なんでアイツは再び現れてしまったんだろう。
ミユキもリューマに対しての昔からの執着は凄いけど
女に困るはずのないリューマが、あんなにもミユキに必死になるのも、ずっと理解出来ないでいた。
映画に出ていたロシアンアサシン役の女もすげー美女だったし、前のデザイナーの元カノだって、男を虜にしそうな美女だった。
そうゆう取り巻く女達と適当に遊んでいればいいのに
軽い男と思いきや、ミユキだけは決して手放そうとしないリューマ。
ミユキを運命の女だと言い切ったリューマ。
あの二人に入り込める隙間がオレにはなくて
赤い糸が存在するなら、きっとあの二人は
がんじがらめに絡み合っているのかもしれないと
不覚にも思ってしまう。
じゃあ……オレはどうなんの?
「♪♪♪♪♪♪」
携帯が鳴って、何の根拠も無しにミユキからかも……と、慌ててポケットからスマホを取り出した。
表示画面を見れば
綾野 晴美。
さっき別れたばっかりなのに、どうしたんだろう……?と電話に出れば、綾野のすすり泣く声がした。
「店長……」
「どうした?」
なぜ、綾野が泣きながら電話をかけてきているのか、見当もつかない。
さっきまでは、ほろ酔いのテンションで別れたと言うのに。
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