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父親が分かった方が私も少しは気持ちが晴れるんだろうか……
「ごめん。もし嫌だったら別にいいから。
無理強いはしたくない。
どっちにしろ、お腹の子は瑠衣の兄弟として育てるつもりでいる。」
瑠衣の……兄弟として……。
我が子として、とは言ってくれないんだ。
ズキズキしてしまう胸を押さえながら
リューマの言い回しひとつひとつに、リューマの心を探ろうとしてしまう。
そんな……ネガティブな自分に嫌気が差して唇を噛み締める。
リューマを信じたいけど、
先の事は起きてみないと分からない。
“殺してやりたい“とまで言ったヨシの子を
瑠衣と同じように愛情を注げるんだろうか。
でも、
もし、リューマの子だったら……
私はリューマについて行ってもいい?
リューマの子だったら……
リューマと幸せになってもいい……?
ヨシは……許してくれる……?
可能性にかけてみたい……。
リューマの子かどうか。
デリカシーのない占い師の予言を覆したい……!
「DNA鑑定、受ける。
私と瑠衣が渡米するかは……その判定結果が出てからでも……いい?」
私が戸惑いながら、そう言うと、
リューマは複雑な表情を浮かべた。
「どっちにしろ、一緒について来てもらわないと困るんだけど。
……でも、ミユキの意思を尊重する。」
「DNA鑑定はどうやってするの?」
「ミユキの血を採血するだけだよ。オレの所にキッドが送られてくるから、それを持って医療機関で採血してもらうだけ。後はアメリカにある研究所に送って終わり。結果は1ヶ月で返ってくる。
渡米するギリギリ前だな。」
「……分かった。協力する」
興奮してきて、ドキドキ心臓が鳴り止まない。
「ミユキ、オレからもう離れないで。
離れて苦しいのはオレだけじゃないはず。
ミユキだって、オレと同じ想いでいてくれてるでしょ?」
リューマが額をくっつけてきて、両腕で私を包み込む。
リューマの筋の通った高い鼻が、私の鼻先に触れる。
リューマの香り。
……また重なり合う唇。
リューマの温もりは
なんでこんなに心が震えてしまうんだろう。
リューマ……嘘偽りなく……
私はリューマを愛してる。
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