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DNA鑑定でもし……
オレの子だと判明したら……
ミユキはオレに靡く事はあるんだろうか。
……もしなかったとしても
ミユキは、リューマと一緒に渡米するのを断念するかもしれない。
それでも、ミユキがアメリカに行ってしまったら……
その時は、とうとうミユキを諦めなければいけないんだよな。
焦燥感に苛まれて、苦しさ覚え、つい眉間にシワが寄る。
リューマがミユキの所に行くと言って出ていってから
オレもコーヒーを飲み干すと、リューマが置いていった二千円でお会計を済ませて店を出た。
サロンを見れば明かりがまだ点いていて、綾野と吉田がトレーニングで残っている様子が伺えた。
真っ直ぐ帰っても、真っ暗な部屋がオレを出迎えるだけだし、
二人のトレーニングを見ていくか。
サロンの玄関のドアノブに手をかけて中に入っていくと、スタンドにウィッグを立ててトレーニングしている二人の姿があった。
二人はここを担っていく戦力だから、こうやってスキルアップのトレーニングを率先してやってくれる事は、本当に心強い。
「あ、店長! 何で本橋ルイがウチのサロンに来たんですか?」
最近ずっと元気なくて暗かった綾野が、リューマの出現で、やたらテンションが高い事に、少しイラつく。
きっとそれはリューマに対する劣等感がイラつきを煽っているんだろうけど。
「オレもまさかと思ったんすけど、リアル俳優本橋ルイ、ヤバイっすねー!同じ男とは思えないくらい顔がフェミニン!」
吉田も乗っかって、リューマを絶賛し始める。
「ヤツの事はいいから、トレーニングに集中しろよ」
大人げなく、不機嫌なオレが全面に出てしまって、
二人は押し黙って、ウィッグに集中し始めた。
相当険しい顔で二人を睨んだに違いない。
9時半を回ったくらいで、トレーニングは終了し、
オレは二人を夕飯に誘った。
家帰っても、メシはないからな……。
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