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私は何も思いつかず、ごめんなさい、と咄嗟に謝った。
蓮はクスッと小さく笑う。
「由紀さんは本当に、謝ってばかりだね・・・」
私は彼が自分のことを、由紀、と呼ぶことに動揺して
既に真っ赤だったはずの顔に更に血が上るのを感じた。
30過ぎにもなって、小娘みたいで情けなさ過ぎる・・・
蓮はその優しい声で続ける。
「・・・会えてよかった。
・・・ずっと、探したんだ。
あの時、あんな風に別れてしまったから・・・」
私は、す、と言いかけて、口を噤んだ。
だが、何を言おうとしたのか蓮は分かったようで
クスッとまた笑う。
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