”千里の道も一歩から”編_弐拾漆

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  蓮が何を言わんとしているのか分からなくて、 私は首を横に振った。 そして、誤解しそうになる甘い言葉に ただでさえ限界まで高鳴った鼓動が耳に響くほど大きくなり、煩い。 また、勘違いしそうになる自分を必死に押さえ込む。 「・・・冗談はやめてください。」 蓮は私に一歩近づく。 「なんで?なんで、冗談、になる?」 私は一歩下がった。 だって・・・、と続けるが、言葉が続かない。 蓮は私が取った距離を埋めようと更に前に出る。 「三回しか会っていないから?そんなこと、関係ある? ・・・僕は君ともっと一緒にいたいと思った。 君を知りたいと思ったし、僕を知ってほしいと思った。」
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