3人が本棚に入れています
本棚に追加
”千里の道も一歩から”編_弐拾漆
1人呟いたはずなのに
ホントに・・・、と声が返ってきた。
驚いて、振り返ると、息を切らせた、蓮、がいた。
飛び出しそうなほど強く鼓動が打ち始め、勝手に顔が熱くなる。
そんな自分が腹立たしいのに、どうすることもできない。
蓮も相当走った様子で、苦しそうに肩で息をしている。
でも、困ったような優しい笑顔も
ボサボサの髪の毛も、着心地の良さそうな長袖のシャツも
・・・何もかもが私の知っている、蓮、だった。
胸がジンッと熱くなって、目頭が潤む。
そして、息を整えた蓮は
私が夢にまで見た、お日様の笑顔を浮べる。
「・・・良かった。間に合って、よかったぁ・・・」
最初のコメントを投稿しよう!