”千里の道も一歩から”編_弐拾漆

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”千里の道も一歩から”編_弐拾漆

  1人呟いたはずなのに ホントに・・・、と声が返ってきた。 驚いて、振り返ると、息を切らせた、蓮、がいた。 飛び出しそうなほど強く鼓動が打ち始め、勝手に顔が熱くなる。 そんな自分が腹立たしいのに、どうすることもできない。 蓮も相当走った様子で、苦しそうに肩で息をしている。 でも、困ったような優しい笑顔も ボサボサの髪の毛も、着心地の良さそうな長袖のシャツも ・・・何もかもが私の知っている、蓮、だった。 胸がジンッと熱くなって、目頭が潤む。 そして、息を整えた蓮は 私が夢にまで見た、お日様の笑顔を浮べる。 「・・・良かった。間に合って、よかったぁ・・・」
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