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「い、いやね、胡蝶、お返事エッセイのお返事も溜まっていてだね……」
「ただの趣味と、賃金が発生するお仕事とでは、どちらが大切とお思いか?」
私の指先に戯れるように幻惑の光が舞い、1つの形を作り出す。
「こっ……胡蝶っ!!
仙さんは能力を知らない一般人……っ!!」
「あぁら、素敵ぃ」
私の両手に現れた鞭を見た遊仙御師様が、血相を変える。
だが私の怒りメーターは、そんなことは全く気にならないレベルにまで針が振りきれていた。
「いい鞭ね」
そんな私の意識を呼び戻したのは、恍惚とした声だった。
もちろんその声は、御師様のものでもなければ、コウハのものでもない。
「わたくし昔、お店で女王様をしていたことがあるのよ」
片手を頬に当ててうっとりと鞭に視線を向けていたのは、仙さんだった。
その顔は思わず私の喉がコクリと動くほどに、色っぽい。
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