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……でも、なぁ………
私は傍らに積み上げてある書類にチラリと視線を向けた。
その書類はすべて、文士としての御師様に回ってきた仕事に関するものである。
ちょっと私が目を離した隙にまたお返事エッセイで遊んでいた御師様は、あっと言う間にここまで仕事を溜めていた。
だから私が、わざわざこうして催促しに来たのである。
私は部屋から駄々漏れる嬌声をBGMに、無表情のまま黙考する。
結論は、そう迷わなくても出た。
……出直しますか
私は中の邪魔をしないように、静かに膝を上げた。
後でこのことの野次馬心も含めて、襲撃をかけることにしよう。
何もお楽しみの邪魔をする必要も……
「あ…やめるなんて……っ!!
じゃあ、荒縄! 荒縄を……っ!!」
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