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僕と川端さんは帰り道を歩いていた。
僕と彼女は実は同じ方向に家があるのだった(しかもそれをさっき聞いた……)。そのため帰り道では色々な話をしていた。
「しかし廉と話したとは……。彼女、なよっとした男は嫌いだ!とかでそういう男子とはあまり話さないのよ」
「え、そうなの?普通に話できたけど」
「ほんと珍しいのよ。仲良い男子としか話さないし」
やれやれといった感じで川端さんは言う。どうやら彼女とはかなり仲が良い事が話していて分かる。
「いいな、そういう友達がいると。僕はそんな人いないから」
「そうなの?……あー、でも私とはもう友達よ、こんなに話せたんだし。私も小道くんの事悪く思ってないしね」
「え!?あ、あー、そう、それは良かった……」
僕は話をしながら、緊張し続けていた。喉が乾き、汗が止まらない。心臓の鼓動もなり続けている。
(どどどどうしよう!?いいいったいいつ、こここ告白すればいいんだ!?い、今ごろになってき、緊張してる……!)
「……?何かすごい険しい表情してるけど」
「え!?いや、何でも!……やっぱり川端さんと話すの慣れてないから」
「そう?皆とはよく話してたからね。でも私とはあまり話さなかったような……」
川端さんは思い出すようにそう言う。その言葉に僕はあぁ、と言うと、
「実はね、……信じられないかもしれないけどある小石を拾ってね」
そう始めると僕はこの数日間に起こった出来事を彼女に伝えた。偶然拾った石から始まった奇妙な出来事、その時の僕の思い、そしてあの変わった男子生徒の事も。
すべて話し終わると彼女は少し驚いたようだったが、
「へぇ、そんなことがあったんだ……。すごいね」
「僕の話を信じてくれるの?」
「もちろん信じるわ。皆が小道くんに話し掛けるようになったのってそれのせいだったのね。道理で皆君の事知らないのに話しかけてたって言うはずだわ」
「やっぱり知らずに話してたんだ……」
僕が落ち込んでいるとまあまあと彼女は慰めてくれ、
「良かったじゃん、変われるきっかけができたんだしね。あと夜野君とも話せたんだし」
「夜野って、……あの”夜野圭”?」
「そうよ、1年生で一番の有名人。廉の幼馴染みで、文武両道であの容姿、女子からの人気No.1。そしていつも町のどこかで姿を見かけるっていう、不思議な青年よ」
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