1人が本棚に入れています
本棚に追加
打ち合わせスペースの扉を閉めると、
矢田は唇を震わせ、必死に泣くのを堪えている。
矢田が追い詰められていることは知っていた。
毎日、神田がフロア中に響くような大声で
聞くに堪えないような罵声を浴びせていた。
ただ、神田の言い分が正しくないわけじゃない。
矢田の落ち度を指摘している、と言う点では
開発リーダーとして間違っていない。
・・・だが、その指摘の仕方が、あまりに、ひどい。
見かねて、何度か仲裁に入ったが、
それは火に油を注ぐようなもので
結果的に矢田を傷つけるばかりだった。
最初のコメントを投稿しよう!