1人が本棚に入れています
本棚に追加
私はブロックが少し離れた、物1の神田の席に向かった。
「神田さん、少しよろしいですか?」
神田はこちらも見ずに、怒鳴りつける。
「今、忙しいっ!後にしろ!!」
物1は混乱を極めていた。
ユーザーの要望がボロボロと後出しジャンケンのように出てきて
それの取り込みに追われて、設計がガタガタになっていた。
何度か仲裁に入ろうとしたが、神田は頑なにそれを拒んだ。
終いには、私は物1から追い出されてしまった。
結局、物1は任せよう、と鏡が言ったので、
それ以来口を出していない。
不穏な空気を察したのか、
間仕切りの向こうにいる鏡がこちらへ来た。
いつもなら引き下がるが、今回は別だ。
今更、テーブルの増減をされては、後続に大きな打撃を与える。
私には彼らの仕事を守る義務がある。
最初のコメントを投稿しよう!