第3話 島村鷹斗

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「お金なら何とかします」 ここに来てから全く口を開いていなかった、母親が初めて口を開く。 「お母さん!」 一緒に来ていた三人が、驚いた顔で母親を見た。 「でも…………いいんですか?」 萌が泣きそうな顔で聞いた。 「何言ってるの萌ちゃん。アナタの一大事なんだから、お金がどうのとか言ってる場合じゃないでしょ?」 「あ、有難うございます」 萌は顔を歪めると、そのまま目を手の甲で拭う。 「そうだよ。私もバイトするから」 すずが萌の肩を抱いた。 「所長、俺無給で活動しますから、お願いします」 「しかしなぁ…………後四十七日やそこらじゃ…………それに今やってる仕事だってあるし」 「それは……今俺がやってるのは、美桜ちゃんに引き継いでもらうってことで」 「私!?」 美桜が声を裏返らせる。 「頼むよ」 「は、はぁ…………」 美桜は渋々頷いた。
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