第3話 島村鷹斗

12/40
68人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「どうせやらなきゃ納得しないんだろ」 「ええ、まぁ」 「まず彼女を連れて市役所に行け」 所長は萌の方を見る。 「はい」 「父親と離婚をして出て行った母親と、どうしても連絡を取る必要があると言えば、もしかしたら住民票の転居先を教えてもらえるかもしれん」 「なるほど」 「今時は何でもかんでも個人情報保護法だなんだで、オマエが行っても絶対に教えてもらえないからな」 「はい。分かりました」 鷹斗は頷いた。 「じゃあ萌ちゃん。一緒に市役所に行こう」 「はい」 萌が頷く。 「まずは母親がどこに行ったかを、順を追って調べて行くことだな」 「分かりました」 鷹斗は所長に向かって頷いた。 「じゃあ私たちも」 そう言ってすずの母が立ち上がる。 「ええ、行きましょう」 その言葉を皮切りに、全員が立ち上がった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!