第3話 島村鷹斗

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市役所でお願いをすると、窓口の男性が話の分かる人で、教えてくれることになった。 ところが、書類を持って戻ってきた職員が表情を曇らせる。 「あのですねぇ……離婚届は確かに受理されているのですが、住民票の転出届が出されていないんですよ」 「えっ? それはどういうことでしょうか?」 最初に萌が質問した。 「いや、つまりですねぇ。アナタのお母様は、お父様と離婚をした後も、同居をされているということになってまして」 「え?」 「嘘?」 「えっ、何で?」 「どういうこと?」 四人が同時に驚きの声をあげる。 「いやぁ、普通じゃこんなことはありえないんですが……とりあえず現時点では、住民票上は、お母様は未だにアナタのお宅に住んでいるということです」 職員の男性が申し訳なさそうな顔をした。
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