第3話 島村鷹斗

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教えてもらえないなら、他に調べる方法もあるのかもしれないが、教えてもらった結果がこれでは、もう手の打ちようがない。 鷹斗はすぐに所長に連絡を入れて指示を仰ぐことにした。 『そうか……。それは仕方ない。そうなると交友関係を探すしかないな』 「交友関係ですか?」 『そうだ。例えば娘の学校のママ友とか』 「ああ」 『仲良くしてたママ友がいれば、その人に離婚後の住所を教えてるかもしれない』 「なるほど」 『まぁ、ここからは気の遠くなる作業だが、やると決めたんなら頑張れや』 「は、はい」 もう少し質問をしたかったのだが、半ば強制的に電話を切られてしまった。 「萌ちゃん。お母さんが出て行った頃の、クラスメイトの名簿とかないかな?」 「えっ? それは……小学生の頃のは、たぶんもうないんで、卒業アルバムなら」 「それだ。それを見せてくれない?」 鷹斗は萌の卒業アルバムから、当時の生徒の母親全員をあたるつもりだった。
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