第3話 島村鷹斗

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そして鷹斗は、探偵業が甘くないことを、痛感させらることとなったのである。 まったく手がかりがないまま、どんどん時だけが過ぎて行く。 なんの進展もないまま、萌がLineのグループに貼った写真も、すでに10枚を超えていた。 そして相変わらず山の中だった写真に、ついに違うものが映ったのだ。 それは神社によくある、小さな祠のようなものだった。 どうやら都市伝説の通り、萌にかけられた呪いのわら人形は、神社の裏山に設置されているらしい。 ただ、この段階では、それがどこの神社なのかは、皆目見当のつかないところではある。 さらに二日が経ったところで、ついに鷹斗は有力な情報を手に入れることに成功した。 萌の母親である川本希里奈は、離婚後もしばらくはこの近くに住んでいたらしいのだが、実家の父親が亡くなり、病気で入院している母親が一人になったために、広島に帰ることになったというのだ。 川本希里奈の広島での住所を手に入れた鷹斗は、広島行きを決意し、父親に買ってもらったばかりのマイカーで、一路広島県を目指すことになった。
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