第3話 島村鷹斗

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一瞬どうしようかと思ったけど、鷹斗は思い切って声をかけることにした。 「あの、すみません」 「ん? 何じゃ?」 「こちらに川本希里奈さんっていう女性が住んでると思うんですが」 「ああ、悪りぃけど名前は知らんよ。確かに四十代くらいの女の人が一人で住んどるのは住んどったんじゃけどな」 「えっ、住んどったってことは、今は住んでいないんですか?」 「いや、先々週じゃったかなぁ……警察がここに来てなぁ、何でも入院中じゃったのに、突然行方不明になったらしゅうて、捜しに来とったわ」 「行方不明ですか?」 「まぁ、詳しくは分からんから、警察に行って聞くか、不動産屋にでも聞いてみりゃえーじゃろ」 「はぁ、すみません。有り難うございました」 鷹斗は男性にお礼を言った。 警察に行くのはどうも気乗りがしない。 鷹斗はアパートの壁に貼ってある不動産屋の看板の住所を控えると、そこに向かうことにした。
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