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「所長、帰りました」
「おお、ご苦労さん。冷蔵庫に冷たいの入ってるから」
「有り難うございます」
鷹斗は額の汗を拭いながら、そのまま言われた通りに冷蔵庫に向かう。
「で、どうだ?」
「今のところは動きはないです」
「そうか。まぁ、今回の旦那は営業マンじゃないから、日中は会社から出ることはないだろうし、その分楽だがな」
所長はパソコンに視線を落としたままで答えた。
「いったん帰って、また夕方に現地に行ってくれるか?」
「そうですね」
「ああ、でももうすぐ昼だな。昼飯食ってから帰れよ」
「ああ、すみません」
「じゃあ昼までそこで涼んでろ」
「はい」
鷹斗はペットボトルのお茶を、半分以上一気飲みしてから、ボトルにキャップをしてソファに腰掛けた。
「おっ、電話だ。誰だよ…………って、美桜か」
所長は面倒くさそうに電話に出た。
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