第3話 島村鷹斗

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「所長、帰りました」 「おお、ご苦労さん。冷蔵庫に冷たいの入ってるから」 「有り難うございます」 鷹斗は額の汗を拭いながら、そのまま言われた通りに冷蔵庫に向かう。 「で、どうだ?」 「今のところは動きはないです」 「そうか。まぁ、今回の旦那は営業マンじゃないから、日中は会社から出ることはないだろうし、その分楽だがな」 所長はパソコンに視線を落としたままで答えた。 「いったん帰って、また夕方に現地に行ってくれるか?」 「そうですね」 「ああ、でももうすぐ昼だな。昼飯食ってから帰れよ」 「ああ、すみません」 「じゃあ昼までそこで涼んでろ」 「はい」 鷹斗はペットボトルのお茶を、半分以上一気飲みしてから、ボトルにキャップをしてソファに腰掛けた。 「おっ、電話だ。誰だよ…………って、美桜か」 所長は面倒くさそうに電話に出た。
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