第3話 島村鷹斗

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「行きそうな場所の心当たりはないんでしょうか?」 「そんなもんあったら、とっくに押しかけとるわ」 「そうですか」 マズイ。このままではここで捜査が行き詰ってしまう。 「あの……」 「何じゃ?」 「川本さんがコーポひまわりに入るときの契約書ってありますか?」 「契約書? そりゃまあ、あるにはあるが」 「例えばそれに保証人の名前とか書いてありませんかね?」 「いや、うちは保証人までは立てさせんけぇ」 そう言いながらも不動産屋のオヤジは、棚の中から一冊の帳簿を取り出してきた。 「ちょっと待てよ」 そう言いながらページをめくっていく。 「おっ、あったぞ……ん? これは……」 「どうかしましたか?」 不動産屋のオヤジが眉を曲げたので、鷹斗は気になって聞いた。
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