第3話 島村鷹斗

3/40
前へ
/40ページ
次へ
美桜というのは、所長の姪っ子だ。 偶然にも鷹斗の高校の後輩で、そして一昨日偶然出会って、そして今鷹斗はこの探偵事務所でアルバイトをしている。 世の中って、何が起こるか本当に分からないものだ。 美桜の真黒に日焼けしたボーイッシュな顔が浮かぶ。 中学生の頃から女の子にモテていた鷹斗は、今までに色んな女の子と付き合ったけど、美桜のように真黒に日焼けした耳まで出ているショートカット…………というより、スポーツ刈りの体育会系の子とは付き合ったことがなかった。 美桜は自分より二つ年下だから、妹みたいな感じだけど、ハッキリ言って妹というより、弟という感じがする。 そんな美桜は、鷹斗と会話をするとき、目が合うと恥ずかしそうにして、目を合わさない。そして真黒に日焼けした顔が、赤くなるのだ。 過去の例からすると、おそらく自分に気があるように思う。 鷹斗は今、彼女がいない状態だったし、美桜のような女の子とは付き合ったことがないから、美桜にその気があるなら、付き合ってもいいかなと思っていた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加